外為スワップ派の通貨選び
FXでスワップ金利の獲得を目的としたトレードをすると運用期間は長くなります。通貨ペアの特徴を分析する方法として為替レートの「変動幅」と「変動率」について解説します。どちらも為替レートがどれくらい変動しやすいものなのかを知るときの指標になります。為替レートはきれいな正規分布になっていないことがほとんどです。このため平均値を求めたり標準偏差を計算してもあまり有効な数値として使えないことがあります。今回は、粗大ゴミ・粗大ごみ・不用品回収の変動具合について調べるため次の数値を使用します。前日からの変動幅 [Pips]・前日からの変動率 [%] この2つは似ているようで異なります。Pips値は、通貨ペアの最小取引単位として知られています。どれだけ変動したかの幅であり、FXでは1万通貨あたりの損益です。ドル円なら1Pips(0.01円)動いたときの損益は100円でユーロドルなら1Pips(0.0001ドル)動いたときの損益は1ドルです。FXで損益計算をするときは、この変動幅[Pips]が重要ですからPips値の統計をとることにします。ただしPips値だけでは役不足の時があります。複数の通貨ペアを比べて変動の割合が大きいか小さいかを知るためには基準を合わせる必要があります。通貨の単位が合わないと比較がしにくいからです。このためPipsだけでなく前日の為替レートから何%変動したかを変動率として求めることにします。この変動率は、ボラティリティとも呼ばれます。どちらも、ほぼ正規分布になっていることがわかりますね。中心のゼロ付近が最も頻度が高くなっています。つまり変化しない割合の方が高いわけです。ゼロから離れていくにつれて監視カメラの頻度は減っていきますがそれだけ為替レート変動も大きくなることを示しています。グラフの両端をみると、頻度が極めて少ないものの大きく変動したことがあるのが分かりますね。余談ですが、このグラフから面白いことが分かります。ゼロを中心としたとき、マイナス側はプラス側に比べてバーがなだらかにすそまでのびていますね。またマイナス側の最小値は、プラス側の最大値よりもゼロから離れています。これの意味することは、ポンド円の為替レートは上昇よりも下落の方が大きく動きやすいということです。「ショートは足が速い」といわれるのが視覚的に分かりますね。この傾向は、クロス円全般にあります。いくつかの通貨ペアについて、数値データを比較して特徴を見てみます。A最大値、B最小値、C平均値、D変動幅、E変動率。A,B,Cはわかりやすいと思います。それぞれ期間中の為替レート最大値、最小値、平均値です。ただし、この値だけを見ても実態がつかめないので為替レートをヒストグラムで見るのが良いのでしたね。D,Eはそれぞれ次のようなことを知るため目安になります。D:一日の変動幅[Pips]のぶれの大きさ、E:一日の変動率のぶれの大きさ。ここでいう「ぶれの大きさ」とは標準偏差(σ)のことです。標準偏差は統計的なデータの散らばり度合いを示します。Eはよくヒストリカル・ボラティリティとも呼ばれます。ボラティリティは文脈によっていろいろな意味で使われますがEは日次のヒストリカル・ボラティリティです。(期間ボラティリティは後ほどで出てきます)またσはリスクの指標としても使われます。σが大きいほどぶれが大きく、為替変動リスクが高いということです。今回は、各通貨ペアの変動リスクをσで比較します。なおDもEも正規分布に近い形をとることがわかっているので標準偏差の性質から次のことが言えます。約68%の確率で±σに収まる・約95%の確率で±2σに収まる。たとえばドル円の日次変動幅σは0.651です。一日の変動幅としては、約68%の確率で±0.65[pips]に収まり約95%の確率でその2倍の±1.3[Pips]の変動幅に収まります。また変動率σは0.58%なので、こちらも約68%の確率で±0.58%に収まり95%の確率で±1.16%の変動率に収まります。実際にドル円(USD/JPY)とポンド円(GBP/JPY)を比較します。Dの変動幅σは、ドル円の0.651に対してポンド円は1.106でありポンド円がドル円の約2倍になっています。一方Eの変動率σをみるとドル円の0.58%とポンド円の0.56%はほぼ同じですね。つまりポンド円はドル円にくらべて約2倍の上下幅をとっているが変動率としては同程度ということです。これは為替レートの絶対値が違うためです。またドル円とNZドル円を比べてみると、NZドル円の変動幅σは0.50でドル円より小さいのですが、変動率σはNZドル円が0.70%とドル円より大きいです。これはNZドル円の方が変動幅は小さいけど為替レートとしては動きやすいということです。通貨ペアの変動幅をみたいときはDをつかい、他と比べてどれくらいの変動リスクがあるかを見たいときはEを使います。絶対値で見るならD、相対値ならEということです。これらは両方の数値を見ることでより通貨ペアの性質がわかってきます。FXでは絶対値で見ることも重要です。ところで、ヒストリカル・ボラティリティというと通常はある期間における変動率として計算されます。今回の期間は約3年半とっていますのでこの日数で換算した値も参考までに示しておきます。変動幅についても同様に計算しました。大小関係は日次のD,Eと同じです。ということで、スワップ派が通貨を選ぶときのポイントを解説してきました。これまでの内容をまとめておきます。1)スワップが安定しているかを調べる→政策金利の推移。2)今の水準が安いのか高いのかを知る→ヒストグラム。3)下落幅のリスクを調べる→変動幅σ。4)他の通貨とリスクの大小を比較する→変動率(ボラティリティ)。5)通貨分散でリスク分散する→相関関係、相関係数。これらを考慮し最適な通貨ペアを選び出し、適切な時期にポジションを増やしていくのが長期のFXスワップ戦略といえるでしょう。
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